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妊娠力に必須のビタミンD

妊娠したければ、日光を浴びよう
紫外線は百害だけじゃなかった

「紫外線、百害あって一利なし」
10年前皮膚科にいた時代、これが常識でした。
確かに、紫外線は活性酸素を発生させ、細胞や遺伝子、コラーゲンなどにダメージを与えるので、肌老化に関連するのは確か。
でも、実は、紫外線B波UVBが女性や子供に不可欠だったと最近になって次々に明らかになり、常識が覆ってしまいました。

必死に守りすぎて、こんな感じになったり。

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赤ちゃんのバギーもこんな感じに覆ったり。

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していませんか?
でも、これによって、自分自身の妊娠力免疫力骨密度が下がり、また子供の皮膚炎くる病などの原因になっているとしたら?

妊娠や赤ちゃんに不可欠なビタミンD

これには、日差しを浴びることで紫外線のB波(UVB)が当たり、人の体内で合成されるビタミンDが関係しています。
日本人には不足しているビタミンの1つ。

  • 日本人の妊婦でビタミンD欠乏が89.5%に認められたと言う臨床研究もあります
    (Bone miner metab. 2011.9:29(5):615-620)
    93名中85名がビタミンD欠乏(<20mg/dl)うち10名が重度の欠乏(<10ng/dl)

特に、最近女性たちは「絶対に日差しを浴びない!」と決意し、日焼け止めを塗り重ね、夏でも長袖を着ながら、必死に日差しを避けていますよね。
赤ちゃんも、昔は日光浴が体にいいとされ、日に当たっていましたが、最近は紫外線を避けるために赤ちゃんのうちから日焼け止めを塗り、外が見えないほどに覆われたバギーに乗っています。
これは、結構危険!

ビタミンDと妊娠力のホットトピックス

ビタミンDは特に妊娠力に関連した報告がたくさん寄せられています。

  • ビタミンDの濃度が子宮内膜の着床しやすい環境づくりに必要
    (Fertility and Sterility,12.23.2013)
    (Hum Reprod 2012;27:3015)
  • 40代においてビタミンDの濃度が低いほど卵子の減少が早い
    (Fertil Steril 2012;98:228)
  • 卵胞液中のビタミンD濃度が1ng/ml上昇すると妊娠率が6%上昇
    (Fertil Steril 2010;94:1314)
  • 体外受精において、ビタミンDの欠乏が着床率や妊娠率の低下に関連
    (The journal of clinical endocrinology and metabolism 8.14.2014)
    ビタミンDの濃度が正常な女性は不足群に比べて体外受精の妊娠率が上昇
    (Fertil Steril 2014;101(2),447-452)
  • 多嚢胞性卵巣の女性ではビタミンDの欠乏率が高く、ビタミンDの補充で排卵率が上昇する
    (clinical endocrinologo 2012;77:343)
  • ビタミンDの不足が初期流産のリスクを上昇させる
    (American journal of clinical nutrition 7.15.2015)

さらに、男性でも

  • ビタミンDの不足により精子の運動率・前進精子運動率・正常形態率が低下する
    (Hum. Reprod 2014;29(2),208-219

そして、生まれてくる子供にも

  • 妊娠中のビタミンD不足が小児の湿疹と関連
    (Pediatrics 2012;130:e1128-1135)
  • 小児のビタミンD欠乏予防に妊婦のビタミンD補充が有効
    安全な量:妊娠前(3000~5000IU),妊娠中(2000~4000IU)
    (clinical endocrinology 2015 10.1111)
  • 授乳中のビタミンD補給で乳児のビタミンD値が改善
    (EurekAlert 2016.8.31)

当院では活性型ビタミンDの測定も行っています。

特に、ビタミンDは骨を作るのに不可欠
不足することで特に閉経後の女性の骨粗鬆症はもちろん。
最近は、小児のくる病が増加していることも問題になっています。

ビタミンDが不足することで、カルシウムの吸収が低下してしまい、体内のカルシウム濃度が低くなり、カルシウムが骨や歯を上手に作れなくなり、骨がもろくなったり変形したり、成長が遅れたりします。

いくら牛乳を取っても、ビタミンDが不足するとうまく吸収ができないのです。

また、その他のビタミンD不足に関連する症状として

  • 血糖値の異常
  • 動脈硬化
  • 皮膚の角化異常
  • 免疫力低下
  • 自閉症
  • うつ(特に季節性うつ)
  • 花粉症などのアレルギー症状

などが報告され、研究が進んでいます。
逆に、ビタミンDの補充の臨床応用で効果が期待されるものとして

  • 糖尿病
  • 花粉症や慢性蕁麻疹などのアレルギー疾患
  • 尋常性乾癬(皮膚の角化異常の疾患)
  • がん:細胞増殖の阻害
    がんのリスク低減(Am J Prev Med 2007;32:210-2016)
    がん死の低下(J Natl Cancer Inst 2007;99:1594-1602)
  • 骨粗鬆症・くる病
  • 感染症:免疫の賦活化(活性化)
    小・中学生で1200IUを4ヶ月摂取することでインフルエンザ発症率が42%減
    (American journal of clinical nutrition 2010;91:1255-1260)
  • うつ病(特に季節性うつ)・統合失調症・自閉症

などのたくさんの働きがわかっています。

ビタミンDの血中濃度を測定しよう

当院では、活性型ビタミンD濃度を測定しています。
妊娠力のために、ビタミンD濃度を適正に保つことは必須です。

検査の詳細は、こちら

卵子の質を良くして妊娠力を総合的に高めるためには、鉄やたんぱく質・ビタミンA/Eなどのビタミンミネラルを体内で十分に利用できる状態にしておくことが必要です。

総合的に判断するために、分子整合栄養医学的検査を一度は詳しく受けておかれることをお勧めします。
費用的に難しい方は、ビタミンDや鉄などの必須項目を絞って検査することも可能です。(何れにしても自費検査にはなります)

一度、ご相談ください。

日光浴を習慣にしよう

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ビタミンDは食品からも供給されますが、主な供給源は体内合成。
紫外線を怖がらず、適度には当たらないとビタミンDの合成は起こりません。
紫外線の中でも、日焼けを起こすUVB
作用の強いビタミンD3を合成します。
皮膚に当たると皮膚の中のコレステロールの一種がプレビタミンD3に変化します。
これが体温によってビタミンD3に変化し、肝臓や腎臓で働きが高い活性型ビタミンD3になり、高い作用を発揮してくれます。

UVBは、服やガラスで遮られてしまいますし、日焼け止めではもちろんブロックしてしまいますから、何も塗らず、何も着ていない部分を露出することが必要です。

真夏の正午頃に都内で露出度10%の服で直射日光に30分当たると700〜800IUのビタミンDが体内に生成されるとの報告です。
(orthomolecular vol.98)

日照時間や紫外線量の少ない冬場の1,2月では、最もUVBの強い7,8月と比較して1/4〜1/5に減少します。
日本でも日差しを浴びないオフィスワーカーでは、紫外線の少ない季節で半数近くにビタミンD欠乏がみられることが報告されています。

普段から日焼けに気を使っている女性は特に、「オフィスワークは日焼けしなくて嬉しい♡」と思っているかもしれませんが、そんなあなたはきっとビタミンD不足。

でも、どうしても日には当たりたくない!
という方は、口からせっせと摂らないと追いつきませんよ。

ビタミンDが豊富な食材

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体内で働くビタミンDは、主にビタミンD2ビタミンD3
皮膚で合成されるものはビタミンD3で、ビタミンD2の2倍活性が高いものです。

食品に含まれるビタミンDのうち、植物性はビタミンD2動物性がビタミンD3です。

ビタミンDは脂溶性のビタミンなので過剰症が心配と言う声もありますし、実際病院でビタミンD3を処方する場合には、高カルシウム血症のリスクを考えて血中濃度を測定したりします。

では、どのくらいが安全かを考えると。

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると

食品からの摂取量の目安は、成人で5.5μg=220IU
ですが、これは最低限の量と考えたらいいと思います。
耐容上限量は100μg=4000IU
とされています。
アメリカの老年医学会の発表では、ビタミンD摂取推奨量が1日あたり4000IUです。
ちなみにAm J Clin Nutr 2007;85,6-18では、大部分の健康人にとって安全なビタミンD3の摂取量は250μg=10000IUと結論づけられています。

という訳で、食品やサプリメントから摂取する場合
100μg=4000IUを1日量の目標として摂取することは安全で効果的と思われます。

ビタミンD3を多く含む動物性食品(100g辺りμg)

(※IUとして換算する場合は40倍する)

  • あん肝=110
  • しらす干し(半乾燥)=61
  • イワシ(丸干し)=50
  • いくら=44
  • カワハギ=43
  • 紅鮭=33

ビタミンD2を多く含む植物性食品

  • キクラゲ(乾燥)=440
    (茹でた場合=4)
  • 干し椎茸(乾燥)=17
    (生椎茸=2.1)
  • しめじ=3.4

肉類や穀物・野菜にはほとんど含まれていません。
キノコ類は植物性としては多い方ですが、微々たる量ですね。
しかも活性の低いビタミンD2です。
ということは、魚類でビタミンD3を摂るのが最も効率的と言えますね。
よし、冬はアンコウ鍋だ!
もちろんあん肝をポン酢で♡

っと言っても、バランス良く召し上がれ。

特に、日光を浴びることは、ビタミンDだけでなく、体内時計の中枢である松果体のメラトニンの分泌にも関わっていますし、体全体のホメオスターシス(恒常性)やバイオリズムにも影響しています。

地球全体の生きとし生けるものすべてが太陽によって育まれているというのに、私たちだけそれを避けているのは、よく考えたらちょっと変ですよね?

あらゆることに極端にならず、バランスをとることはとても大切。
気持ちも明るくなりますし、ぜひ1日1回は太陽の恵みを受けましょう。

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